つくば高等学院では、通信制高校の学習課程におけるスクーリング(面接指導)を、年間スケジュールに沿って実施しています。今回は、地歴・公民の4科目を対象に、対面授業形式のスクーリングを行いました。
授業を担当されたのは、株式会社グローカルアースの藤本正樹先生。地歴・公民分野で豊富な指導経験を持つ外部講師です。生徒たちは普段のレポート学習では得がたい「対話と深掘り」の時間を体験し、学びへの関心を高めていました。

日本史探究|聖徳太子と大化の改新を通して、政治制度の原点に触れる
聖徳太子の政治理念や仏教政策、大化の改新による中央集権体制の確立などを取り上げ、現代の政治の仕組みとのつながりを考えました。歴史を「過去の出来事」ではなく、「今と地続きの出来事」として捉える力を養います。
地理総合|モンゴル帝国と元寇を、世界の流れの中で学ぶ
元寇を「日本が攻められた事件」として終わらせず、モンゴル帝国がもたらしたユーラシアの交流、交易、文化の広がりといった地理的背景まで扱いました。地図と資料を用いながら、広い視野で歴史地理を考える時間になりました

歴史総合|第一次世界大戦とバルカン半島に潜む火種
バルカン半島の民族対立や列強の思惑、そしてサライェヴォ事件からの戦争勃発。大戦の背景にある「構造的な問題」をひも解くことで、複雑な国際情勢を理解する授業となりました。

公共|契約社会に生きるために必要な知識とリスク回避
スマートフォンやサブスクリプション、アルバイト契約など、身近な契約を題材に、トラブルを防ぐための注意点を学びました。通信制高校でも「公共」の授業を通じて、社会のルールを実践的に学べる機会を大切にしています。
対面だからこそ伝わる“学ぶ意味”
通信制高校では、普段は自宅学習を中心に進めますが、年に数回のスクーリングで教科の本質に触れ、直接先生と対話しながら理解を深める機会があります。
今回の地歴・公民スクーリングでは、「なぜ学ぶのか」「今とどうつながるのか」を考えるきっかけが多くあり、生徒たちの表情も真剣そのものでした。
スクーリングでも“安心して参加できる”環境を大切にしています
通信制高校では、年間で決められた回数のスクーリング(対面授業)が必須となっていますが、つくば高等学院では、生徒が無理なく参加できる雰囲気づくりを大切にしています。
今回のような地歴公民の授業でも、「当てられるかも」「発言しなければいけない」というプレッシャーを感じずに、自分のペースで話を聞いたり、時にはぼんやり考えたりできるような空気が保たれていました。
授業内容に強く引き込まれる生徒もいれば、少し距離を置きながら耳を傾ける生徒もいます。どんな関わり方でも大丈夫というスタンスが、通信制高校でのスクーリングにはとても大切だと私たちは考えています。