つくば高等学院は、スクーリング会場のため通信制高校の学習課程に沿って、対面でのスクーリング授業(面接指導)を各教科ごとに実施しています。
今回は、校舎2階の学習スペースで国語のスクーリング授業を行いました。
担当は、フリースクールむすびつくばの北村先生(国語の教員免許保有)。
生徒たちの感性や生活リズムに寄り添いながら、読みやすく、考えやすい授業を展開してくださいました。
【現代の国語】港千尋「無彩の色」を読み解く

「色がない“無彩”という概念に、どんな意味が込められているのか?」
現代文教材として取り上げたのは、写真家・評論家でもある港千尋氏の「無彩の色」。
日常にある“無彩”の世界を切り取りながら、言葉では表しきれない感覚や想像力について考えを深めました。
正解のない問いに向き合い、自分なりの感じ方を言葉にしていく時間は、自分の思考を見つめ直す貴重な機会となりました。
【言語文化】『徒然草』から学ぶ言葉の変化と美しさ
古典の授業では、吉田兼好の『徒然草』を読みながら、歴史的仮名遣いや助詞「ぬ」の使い方など、現代語との違いを学びました。

「をかし」「あはれ」などの感性語が登場する世界に触れつつ、当時の人々の暮らしや価値観を想像する時間でもありました。
難しいと思われがちな古典も、生徒一人ひとりの視点に寄り添った導入と問いかけによって、自然と文章に入り込めていた様子が印象的でした。
特に、生徒たちが驚いたのは、「兼好(けんこう)」という名が、もともとは“かねよし”と読まれていたというエピソード。
その流れで、「自分の名前を音読み/訓読みで変換するとどうなるか?」という話題に。
“昌彦”を「しょうげん」、「誠文」を「せいぶん」などと読んでみると、
「めちゃくちゃ硬い名前になる」「急にお寺の住職っぽくなった!」と笑いも起き、
古典が“遠い世界”ではなく、今の自分と地続きだと感じられる時間となっていました。
通信制高校のスクーリングで、自分の言葉と出会う
通信制高校では、日頃は自宅学習(レポート)を中心に進めますが、国語のスクーリングでは、他者の言葉や表現に触れながら、自分自身の内面に気づく機会があります。
つくば高等学院では、「読解」や「知識の習得」だけでなく、
- 感じたことをそのまま受け止めてもらえる
- 無理に発言しなくても大丈夫
- 自分のペースで思考を深められる
そんな安心感のある学びを大切にしています。
まとめ
「読む」「考える」「感じる」。
どれも“正解”ではなく、“出会い”である。
そんな国語の面白さを実感できる、穏やかで深いスクーリングとなりました。